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2021.09.06

黒&白&黄色…芋焼酎の味わいを左右する麹の秘密

くろ店長

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黒&白&黄色…芋焼酎の味わいを左右する麹の秘密

芋の香りしっかり派は「黒」!ふんわり派は「白」!

芋焼酎の香りや味わいを大きく左右するのが「麹」です。
焼酎づくりに使われる麹には、白麹、黒麹、黄麹の3種類があります。
くろいさのラベルに、どーんと大きく描かれている「黒」の文字は、この黒麹のことなんですよ!

焼酎専用の麹としては、白麹と黒麹があり、クエン酸を多量に生成する性質を持っています。また芋焼酎特有の香り成分を多く作り出す作用も持っており、その作用は白麹より黒麹が強くなります。

そのため、白麹でつくった焼酎はふんわりとした芋の香りが楽しめて、やわらかい味になるのが特徴です。大口酒造にも白麹をつかった〈伊佐錦〉という銘柄があります。

一方、黒麹をつかった焼酎は、芋の香りがしっかりと立ち、コクやキレなど強いインパクトがあるのが特徴です。

近年では差別化を図るため清酒用の黄麹を使用した芋焼酎が発売されていますが、黄麹製品には統一的な酒質のイメージはありません。黄麹は芋焼酎の製造に適さない麹のため統一的な製造方法が無く、各蔵独自の製法によるためなんです。

麹の色にも歴史がある!「明治」篇

焼酎はその誕生より長い期間、清酒と同じ黄麹が使われていました。ただしこの黄麹の使用には難点があって、もろみが腐りやすく、ただでさえ暑い鹿児島での焼酎づくりは、もろみの腐敗との戦いだったそうです。

明治43年に税務監督技官として鹿児島に赴任した河内源一郎氏。沖縄の泡盛で使われていたクエン酸を生成する黒麹に注目、鹿児島に導入しました。これによりモロミの安全性が高まり収得の増加、酒質の向上につながりました。

麹の色にも歴史がある!「大正・昭和・平成」篇

大正7年、河内源一郎氏は黒麹の中から白色の胞子を造る白麹菌を分離しました、これが白麹の始まりとなります。この白麹を使用した芋焼酎は従来と比べ「やわらかくて、おいしい」との評判を得ていました。さらに杜氏らは黒麹の胞子による顔や服、製造器具の黒ずみから解放され作業性も向上しました。

焼酎の飲み手と造り手、双方にメリットがあったことから、白麹は第2次世界大戦後に普及。鹿児島の蔵元のほとんどすべてが白麹を使うようになりました。一度主流になった白麹ですが、人々はまた新しい味を求めるように・・・。

昭和61年、河内源一郎商店では新しいタイプの黒麹菌「NK菌(ニュークロ)」を開発、コクとキレのある芋焼酎に仕上がります。

昭和62年に発売された〈くろいさ〉は、この新しい黒麹菌を最初に使った芋焼酎なんですよ!

麹菌にも学名がある!「国菌」篇

我々が黒麹菌、白麹菌、黄麹菌と呼んでいるのは、和名による名称です。

また、それぞれの麹菌には、世界共通の名前である学名があり次のように表記されます。

 

≪黒麹菌≫

  Aspergillus luchuensis(アスペルギルス リュウチュエンシス)

≪白麹菌≫

  Aspergillus luchuensis mut.kawachii (アスペルギルス リュウチュエンシス ミュータント カワチ)

≪黄麹菌≫

  Aspergillus oryzae  (アスペルギルス オリゼ)

 

これら麹菌は平成18年に、日本醸造学会より日本を代表する菌として国菌に認定されています。

〈くろいさ〉のラベルに、「黒」の文字どーんと描かれているのには、新しい黒麹菌を最初に使った焼酎という印でもあったんですね!今でこそいろんな銘柄の焼酎で使われている黒麹。歴史を知ると、また違った味わいを楽しめそうです。

この記事を書いた人

くろ店長

鹿児島生まれで、黒いものに目がなく焼酎とおつまみを愛してやまない熱血店長。好物は黒麹の焼酎〈黒伊佐錦〉と黒豚料理。

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