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2022.02.10

『本格焼酎』の蒸留の不思議

くろ店長

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『本格焼酎』の蒸留の不思議
蒸留のイメージ

本格焼酎は蒸留酒

こんにちは。『くろいさ』をはじめ芋焼酎、米焼酎、麦焼酎、黒糖焼酎などの本格焼酎および泡盛は全て蒸留酒となります。

今日は蒸留そのものを紐解いていこうと思います。

奥が深い蒸留について、是非『くろいさ』を飲みながらお楽しみください。

そもそも蒸留酒ってどんなお酒?

お店でも良く目にするお酒を分類すると、上の図のように醸造酒と蒸留酒に大別されます。焼酎(本格焼酎)はその中で蒸留酒に分類され、ウイスキーやブランデーなどと同じグループになります。

そもそも蒸留とは、ある液体を加熱して蒸気とし、これを冷却して再び液体として回収することです。

アルコールを含む液体を蒸留することで、蒸留酒が誕生します。酒税法では、単式蒸留機で蒸留した酒類を単式蒸留焼酎、連続式蒸留機で蒸留した酒類を連続式蒸留焼酎と定義しています。

また本格焼酎は単式蒸留焼酎に内包され、さらに単式蒸留は常圧蒸留と減圧蒸留に区分されます。

焼酎の蒸留機の特徴

大口酒造の単式常圧蒸留器

焼酎の製造では単式蒸留機と連続蒸留機が使われています。

『くろいさ』をはじめとした本格焼酎は単式蒸留機を使用します。

単式蒸留とは、張り込んだモロミを蒸留して焼酎粕として排出する、この一工程で蒸留が完結することです。この一工程タイプの蒸留機が単式蒸留機です。

出来上がった焼酎には、数多くの香り成分が存在しており、使用した原料の風味、特徴が鮮明に表れます。

連続式蒸留とは、蒸留機に次々とモロミを投入し、同時進行で蒸留を行いつつ、焼酎粕を排出する工程が連続して進行する蒸留方法です。この連続して蒸留が進行するタイプの蒸留機を連続式蒸留機と称し、これにより97%の高濃度アルコール溶液が取り出されます。高濃度のアルコール溶液に水を加えアルコール36%以下としたものが、連続式蒸留焼酎となります。成分はアルコールと水だけで構成されます。

さらに蒸留方法が複数存在する?

図 酒類総合研究所 情報誌「お酒のはなし」より改訂

本格焼酎で使われる蒸留方法は、大きく二つに分けられます。

先ほど出てきました常圧蒸留と減圧蒸留です。

【常圧蒸留】とは、我々が日常生活している気圧で蒸留することから、常圧蒸留と呼ばれ、この常圧蒸留にもいくつかの方式があります。

『くろいさ』をはじめとした本格焼酎である芋焼酎は、水蒸気蒸留による常圧蒸留が一般的に行われています。

この水蒸気蒸留とは、ボイラーで発生させた水蒸気を二次モロミに直接吹込み加熱する方法であり、焼酎の造り手は直接加熱方式と呼んでいます。

この直接加熱方式により、モロミは100℃近くまで加熱されることでモロミに存在しない新しい香り成分が生まれます。モロミに存在していた香り成分や新しく生まれた香り成分が焼酎へ移行することで、芋焼酎の豊かな風味が造り出されます。蒸留直後の芋焼酎のアルコール濃度は38%前後となります。

【減圧蒸留】とは、蒸留機内の気圧を下げて蒸留を行う方法です。気圧を下げることで沸点が低下し40~50℃の比較的低温で蒸留が進行します。そのため焼酎は、揮発しやすい成分により構成されたものとなり、軽快な味わいの酒質となります。

蒸留すると、 焼酎って同じ味になるのでは?

本格焼酎では、水とアルコールが全体の99.8%を占めますが、それ以外の0.2%に数多くの香り成分などの揮発成分が含まれるため、それぞれの製品ごとに風味や味わいが異なります。

連続式蒸留焼酎では、異なる原料や異なる製法により作成したモロミを連続式蒸留機で蒸留することで、全て同じ味となります。これは前述したように構成成分がアルコールと水のみによるものです。

蒸留の不思議についてお届けいたしました。同じ原料でも味が違う不思議、私もビックリです。さらに、蒸留にも種類があるとは驚きですね。

本格焼酎に至るまでに、多くの努力や研究がなされたいった歴史の一端を垣間見ることができたのではないでしょうか?

このような焼酎に関する情報を随時お届けいたします。

お楽しみに!!

 

この記事を書いた人

くろ店長

鹿児島生まれで、黒いものに目がなく焼酎とおつまみを愛してやまない熱血店長。好物は黒麹の焼酎〈黒伊佐錦〉と黒豚料理。

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