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2022.04.04

黒伊佐錦ってどうやってできているんだろう? 第2話(全3話)仕込みの話

こまちちゃん

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黒伊佐錦ってどうやってできているんだろう?  第2話(全3話)仕込みの話

こんにちは。前回は〈黒伊佐錦〉の製造工程のうち、麹を造る「製麹」までをご紹介致しました。ちなみに〈黒伊佐錦〉に使用されている麹は名前の通り「黒麹」になります。

「黒麹」については、【黒伊佐誕生秘話】で詳しく紹介していますので、是非そちらの記事もご覧ください。

今回ご紹介するのは黒伊佐錦の【仕込み】の話です。麹が出来上がったら次は発酵の準備。是非最後までご覧ください。

仕込みには一次仕込みと二次仕込みがある?

仕込みは黒麹と自社培養した焼酎酵母を混ぜる一次仕込み、そのあと出来上がった一次モロミにサツマイモを加えて混ぜる二次仕込みに分かれています。

一次仕込みは、麹と焼酎酵母を混ぜる工程となります。ここで使われるのは工場内の地下からくみ上げたまろやかな水。そしてこの水と麹がよくなじむように、人の手で混ぜます。これを櫂入れ(上記写真参照)と呼びます。

一次仕込み後は、1週間前後をかけて発酵させます。そうして出来上がるのが一次モロミと呼ばれるものです。

一次仕込みの目的は、焼酎酵母を増殖させること。麹と水を混ぜることで、モロミ1ccあたり、約2億個もの酵母が生まれます。そして元気な焼酎酵母を主発酵の場である二次仕込みに送り出すために、発酵期間中、一次モロミの環境を整えていきます。

焼酎の良し悪しを左右するサツマイモの選別

芋焼酎の原材料として一般的なものは、米、水、サツマイモ、この3つだけ。

黒伊佐錦の味を決めるのも、良質の米、水、そして何より手作業で選び抜かれたサツマイモ。

原料がシンプルだからこそ、選び抜いて最良のものを使っていく必要があります。

大口酒造では、サツマイモを選別するエリアにこんな言葉が掲げてあります。「焼酎の良し悪しは99%ここで決まる」。それだけサツマイモの選別がシビアで、味を左右するということです。

農家から仕入れた鹿児島県内産のサツマイモを100%使用し、まずはきれいに洗浄。ベルトコンベアで運ばれてきた全てのサツマイモを一つひとつ手に取り、人の目でしっかり見極めて選別します。時には匂いも確認しながら選別していきます。そしてサツマイモの両ヘタ・キズ・痛みの部分を全て手作業で切除します。

1日50トンにもなるサツマイモを大口酒造は人の手で丁寧に処理することにこだわっています。〈黒伊佐錦〉の澄んだまろやかな味を生むために譲れない工程なのです。

サツマイモを混ぜる二次仕込み

一次仕込みでできた一次モロミへ、水とふかしたサツマイモを混ぜる。これを二次仕込みと言います。二次仕込みではデンプンが糖化され、一次モロミで増殖した焼酎酵母によってアルコールも生成されます。もちろんここでもまんべんなく混ざるように、人の手でかき混ぜられます。

仕込みタンクの中で発酵が進み、次々に発生する泡の音は、プツプツ、シャワシャワとまるで会話をしているようです。芋焼酎ならではの香り、そして味わいも生まれています。

次の蒸留の過程では、発酵の終わった二次モロミを単式蒸留器で蒸留し、モロミ中のアルコールを原酒として回収します。

大口酒造では伝統的な手法を活かしながら、まろやかな味わいを生み出すために細心の注意を払って仕込みを行なっています。

〈黒伊佐錦〉の製造工程(仕込み)のお話、いかがでしたか?

今回の仕込みで本格的に発酵が進み、二次モロミが完成します。

次回は二次モロミからから蒸留する話を5月にお届けします。

お楽しみに!

この記事を書いた人

こまちちゃん

お店唯一のアルバイト。とにかく元気で、良く食べ、良く飲み、焼酎のソーダ割が大好物。お店の料理を自宅で再現するのが趣味の完全自炊派。

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